革職人が愛用するレザークリーナーとケア用品｜革のお手入れ

お気に入りの革鞄や財布と長く付き合うために、自宅にそろえておきたいレザークリーナーやケア用品。たくさんの種類があって、どれを使うべきか迷う方も多いかもしれません。革専門の職人やスタッフが愛用するメンテナンス用品の特徴と魅力、使い方をご紹介します。

1. 使いやすさ抜群のメンテナンスクリーム「ラナパー」

無臭でベタつきが少ない「ラナパー」は、だれでも気軽に使えるメンテナンスクリームの代表格。クセがなく扱いやすいため、メンテナンス初心者の方にとくにおすすめです。スポンジに少量とり、鞄や財布全体にやさしく塗り広げて使用してください。

ラナパーは定期的なお手入れはもちろん、おでかけ前の防水ケアにも使える優れもの。塗ると革の表面に油膜ができて防滴効果が見込めるため、水染みを予防できます。

原材料は蜜蝋（みつろう）やホホバオイルなど植物由来の天然成分が中心なので、木製家具や金具のメンテナンスにも活用可能。用途が幅広いため、一家に一つ置いておくと便利なクリームです。

2. 革と相性のよい中級者向けクリーム「ミンクオイル」

メンテナンス中級者におすすめのレザークリーナー「ミンクオイル」。動物性の油脂なので革との相性がよく、高い浸透性と保湿効果が期待できます。成分が内側まで浸透するため、革が柔らかくなる点も大きな魅力です。美しく経年変化をさせたい方にとって、心強い味方になってくれることでしょう。

一方で、においやベタつきがあるため、塗った後にはしっかりと拭きあげることが大事。きれいになじませるためにはコツをつかむ必要があるかもしれません。お手入れに慣れている方や経年変化にこだわりがある方は、試してみてはいかがでしょうか。

3. 革をやさしくケアする「馬毛のブラシ」

ほこり落としや仕上げに役立つ「ブラシ」。革のメンテナンスに使うなら、馬毛のブラシを1本持っておくと安心です。馬毛は毛並みが柔らかく細いため、革を傷つけずにやさしくケアできます。

ちょっとほこりや汚れが気になるときに、あるいはメンテナンスオイルや防水スプレーを使用する前に、すみずみまで丁寧にブラッシングして革の状態を整えてあげてください。

なお、馬毛と並んでブラシに使われることが多い豚毛は、クリームを革に均一に伸ばすために利用することがあります。しかし毛並みが硬く鋭いため、革を強くこすって傷つけてしまうリスクも。馬毛のブラシでほこりを落とし、クリームを塗る作業では柔らかいスポンジや布を使うとよいでしょう。

4. 気軽に手に入る天然素材「綿の布」

メンテナンスオイルを塗るときや汚れを落とすときに使用する布は、天然素材の「綿」が一番しっくりきます。化学繊維だと余分なクリームを吸収してくれませんし、布地がすぐにテカテカになり、使えなくなってしまうのが難点です。柔らかく使いやすい綿なら、革を傷めることなくナチュラルな仕上がりに導いてくれます。

自宅で簡単に手に入る柔らかい綿の布で、革との相性がよいものは無地Tシャツです。とりわけ着古したTシャツは、繊維のコシがなくなり柔らかくなっているためメンテナンスに最適です。オイルを塗る前後の拭きあげに活用してみてください。

5. 梅雨の時期に欠かせない「防水スプレー（AMEDAS）」

防水・防滴・防汚の効果がある防水スプレーは、梅雨の時期にはとくに欠かせないアイテム。雨予報の日には、おでかけの30分ほど前にサッとスプレーをかけて革を守ってあげると安心です。初めて使う革製品にも、汚れ防止のためにふきかけておくとよいでしょう。

定番の防水スプレー「AMEDAS」は、ポルコロッソの革との相性がよい商品なので愛用しています。できるだけ自然なエイジングを楽しみたいので、基本的には雨が降り続ける時期だけ使うようにしていますが、使わないときでも靴にふきかけておけば防水ケアができるので便利です。

※革と防水スプレーには相性があります。相性によっては染みの原因になることがあるため、初めて使用するときは目立たないところで試してからふきかけてください。

革製品を愛用するなら、レザークリーナーやブラシなどのケア用品もセットで用意しておきたいところ。自宅にあるものも上手に使いながら、無理なくメンテナンスを続けられる環境を整えていきましょう。試行錯誤しているうちに、その革とあなた自身に合った方法がきっとみえてきます。

メンテナンスグッズの一覧はこちら

\ この記事をシェアする /