革の水染みの対処法 〜雨の日に鞄が濡れたら〜
夕立やにわか雨で、大切な鞄が濡れてしまった……。そんなときに気になるのが、革にできた水染み。水染みは完全に乾いてしまう前に適切に対処すれば、目立たなくなります。お気に入りの革アイテムを守るために、雨や水に濡れたときの対処法を覚えておきましょう
雨予報の日に！革の水染み対策のキホン
雨予報の日は防水スプレーで事前にケア
革を雨・水から守るための第一歩は、事前の防水ケア。梅雨の時期や雨予報の日には、おでかけの30分ほど前に防水スプレーをかけて、革をコーティングしておきましょう。風通しのよい場所で、アイテムから30cmほど離れた場所からスプレーしてください。
雨・水に濡れたらすぐに拭く
防水ケアをしていても、雨や水を完璧に防げるとは限りません。また、予想だにしない突然の雨に降られ、スプレーをかけていない日に革が濡れてしまうこともあります。
染みを最小限に抑えるために、水に濡れたらなるべく早くタオルや布で水気を拭きとってあげてください。
水染みができたら、水拭きで全体をなじませる
それでもできてしまった水染みは、完全に乾く前に水拭きをして革全体になじませることで目立たなくなります。手順をくわしくみていきましょう。
雨・水に濡れて染みができたときの対処法
⒈やさしく水拭きをして水染みを全体になじませる
水に濡らしたタオルや布を軽く絞り、鞄全体を水拭きします。水染みが目立たなくなるように、やさしく水気をなじませてください。濡らしすぎると逆に革が傷んでしまうため、少しずつなじませていきましょう。タオルや布は柔らかく清潔なものを使用してください。
⒉乾いたタオルや布で余分な水気を吸いとる
全体の色味が均一になったら、乾いたタオルや布で革の表面（銀面）の余分な水気を吸いとります。強く擦りつけて拭きあげると革に不自然な光沢（拭き筋）ができてしまうことがあるので、布を革にやさしく押しあてるようにして水気を拭きとりましょう。
⒊新聞紙やタオルを入れ、風通しのよい場所で乾かす
鞄のなかに新聞紙やタオルを入れ、風通しのよいところに置きます。革が適度に乾燥するまで待ちましょう。ドライヤーや乾燥剤の使用は禁物。ゆっくりと丁寧に乾かしてあげてください。
⒋メンテナンスオイルで保湿する
革がカラカラに乾いてしまう前に、メンテナンスオイルで油分を補給します。オイルを塗りすぎると染みの原因になるため、少量ずつスポンジにとって広げましょう。手で触ったときに少ししっとりとしていれば、適度に保湿できている状態です。
革の染みをケアするときの注意点
ドライヤーや乾燥剤で一気に乾かそうとしない
大切な革アイテムが濡れると、ついつい焦ってしまうもの。でも、急いで一気に乾かすのは革にとって逆効果です。ドライヤーや乾燥剤を使って急激に乾燥させると、革の縮みや硬化につながり、型崩れやひび割れを引き起こすことがあります。革が自然に乾くのを気長に待ってあげてください。
染みを一気にきれいにしようとしない
水拭きやオイルメンテナンスにおいても、焦らないことが肝心です。一度できれいにしようと水で濡らしすぎたり、オイルを塗りすぎたりすると、革のダメージにつながります。どちらも徐々になじませて、革表面の風合いを整えていきましょう。
ジュースやコーヒー、食用油の染みができたらプロに相談する
糖分をはじめさまざまな成分が含まれるジュースやコーヒー、食用油が革に染みると、通常のケアだけではなかなか染みを落とすことができません。また放置すればするほど、その部分だけ革が硬くなったり色ムラができたりとダメージが大きくなってしまいます。応急処置としてこれまでご案内してきたケアをおこなった上で、1日でも早くクリーニング専門店などのメンテナンスのプロに相談することをおすすめします。
突然の雨。大好きな鞄が水に濡れて、あたふたしてしまうこともあるかもしれません。 でも、そんなときこそ落ち着いて。急激な環境の変化は、革にとってもストレスなのです。じっくりゆっくり、やさしく革をいたわりながら、染みをケアしてあげてください。
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